カラーグラフ
超生体染色標本の活用
高橋 正宜
1,2
1中央鉄道病院中検
2杏林大・病院病理部
pp.990-991
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909500
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細胞を生のまま観察すると,核形質と呼ばれる核内構造は核縁と核小体を識別できるのみで無構造な形状として認められる.一方,細胞質に関しては,種々の色素の選択的透過性や親和性を応用して細胞構造を観察することができ,超生体染色として古くから細胞学,血液学の分野に利用されてきた.代表的なものとして,ヤーヌスグリンはチトクロム酸化酵素に富む糸粒体に親和性があり,中性紅は分泌顆粒(分布域からゴルジ野に関連しているらしい)やライソゾームに一致して染まるといわれる,アクリジンオレンジ螢光色素(AO)は核のDNAを帯黄緑色に染め,細胞質のRNAや酸性粘液多糖体を赤染する.生きた細胞では中性紅の微細顆粒と同位置に異染性の赤色顆粒を示す.トリパン青やニグロシンは細胞の生死判別法として組織培養に活用されている.また,尿沈渣の検索においてSternheimer-Malbin染色を代表として超生体染色法(超生染)は日常検査に用いられ,臨床検査の応用域ははなはだ広い.
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