技術講座 病理
骨髄組織標本の染色
福田 擁子
1
,
諏訪 幸次
1
,
須山 貞子
1
,
浦野 順文
1
1東京大学病院病理部
pp.226-230
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201582
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骨髄の染色は骨髄の正常の状態をよく把握させ,ひいては病変の読み取りを容易にするものでなくてはならない.骨髄の実質細胞は,分化性分裂増殖細胞群に属する細胞であって,絶えず,細胞分裂と分化を併行して行っている,これら細胞には,大きな三つの系列がある.すなわち骨髄巨核球,顆粒球系細胞,赤芽球系細胞の三群である.
一方,これらの細胞の増殖分化を容易に行わせる環境作りをする支持組織があり,これは骨髄静脈洞を中心とする血管系と,細網細胞がある.これらの骨髄の実質細胞である造血細胞と支持組織の正常及び病的状態を正しく理解するのには,ヘマトキシリン・エオジン(H・E)染色だけでは不十分であって,いくつかの特殊染色を併行して行う必要がある.
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