新しい肺機能検査法・Ⅲ
フローボリュームカーブ
西田 修実
1
,
平本 雄彦
1
1広島大第2内科
pp.924-930
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909477
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最近,末梢気道部病変を早期に検出する目的でフローボリュームカーブ(flow-volume curve)の測定が多くの施設で実施されている1,2).フローボリュームカーブとスパイログラフィーとの関係は図1のようになっていることをまず知っておかねばならない3).すなわちスパイログラフィーは肺気量変化と時間との関係をみるのに対して,フローボリュームカーブはflow (流速)とvolume(肺気量)との関係をみるものであり,このカーブから各肺気量位における流速が分かる.またフローボリュームカーブの下行脚は後述するように時定数(compliance×resistance)の逆数であるので,下行脚の変化から時定数の異常が一見して分かるという利点がある.
本稿では,flowおよびvolumeの測定法,フローボリュームカーブの歴史,フローボリュームカーブにおける最大呼気流速(Vmax)についての理論,フローボリュームカーブ測定の臨床的意義,フローボリュームカーブの問題点などについて解説を試みたいと思う.
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