マスターしよう検査技術
フローボリューム曲線の測定法
進藤 千代彦
1
1東北大学医療技術短期大学部
pp.1099-1102
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901350
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フローボリューム曲線は,肺活量,1秒量(1秒率)の測定とともに肺機能検査の中でも最も頻用されている検査の1つといえる.呼吸生理学では肺気量(ボリューム;V),気流速度(フロー;V)および圧(プレッシャー;P)の3つのパラメーターが重要であるが,最大吸気位(total lung capacity;TLC)から最大呼気位(residual volume;RV)まで努力性呼出をさせたときの気流速度と肺気量の関係をそれぞれy軸,x軸上に記録する検査である.
フローボリューム曲線から得られる情報は,努力に依存する最大呼出流量だけでなく,特に低肺気量位の気流量は努力に依存しないところで末梢気道病変を反映するとされ,重要視されてきた歴史的背景がある.この現象は気道のdynamic compression(気道内外圧差が気道を圧迫する)状態,すなわち気道のつぶれやすさを示す指標として大切である.また,最近の機器は努力性呼出時にフローボリューム曲線と1秒量の測定が同時に行われるように自動化されてきており,声のかけかたも比較的やさしいことも頻用される理由として挙げられる.
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