異常値・異常反応の出た時・33
17-KSと11-OHCS
屋形 稔
1
1新潟大・検査部
pp.949-952
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909087
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臨床検査における11-KS,17-OHCS
17-KSは17ケトステロイズまたは17-オキソステロィズ(17-OS)とも呼ばれる.血漿中17-KSはα,β両分画に分けて測定される1)が,α分画はアンドロステロン(An)とエチコラノロン(Et),β分画はデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が主として占める.またガスクロマトグラフィーで尿中17-KS分画も測定されるようになり,こちらは代謝過程で5α系に属するAn, DHEAと5β系に属するEtに分別定量される2)が,男性ホルモン作用は前2者に大で後者は少ないと考えられる.
しかし臨床検査に日常用いられるのは尿中のtotal 17-KSで,以下17-KSと記するものはこれを指すものである.したがって代謝産物であるから,他の副腎皮質検査法に比して下垂体—副腎系の様相を直接知るものとしては若干よわいものであるが,簡便性や,疾患動態を大づかみに把握するのに便利で,なお愛用されている.
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