臨床化学分析談話会より・24<関東支部>
医学と分析
菅野 剛史
pp.893
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909074
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第181回分析談話会関東支部例会(1975.4.15)は,検査室に新たに新入生を迎えたことに対してのお祝いと,臨床分析の厳しさ,またはそのおもしろさを再認識する会として開催された.話題提供者は虎の門病院の北村先生と,神戸大学の馬場先生の両先生であり,テーマは"医学と分析"という題であった.そして両先生ともにこの難しい題に対して,それぞれ独特の味のある話題が提供されたのである.
北村先生は分析を中心とした立場から"真に医師の要求に対して検査室が十分に反応しているかどうかという問いかけを常に自分自身に対して行うべきである."と始まって分析に偏りすぎて,全体が把握されねばならないのに部分的にしか物を見ないことがあってはいけないし,"生きものを知るためには,精密,かつ立体的,動的な観察が必要である."と述べられた.そして動的に,立体的に把握する手段として血液スペクトルに端を発した多種目平行測定からBiochemical profilingへの過程と,その組み合わせを一つのデータ管理基準として,より積極的に異常病態の発見が可能であることを強調された.
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