カラーグラフ
白血病が疑われる血液像—前白血病状態と寛解期白血病骨髄像
伊藤 宗元
1
1国立東京第二病院・内科
pp.814-815
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909056
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白血病を疑われる血液像はこれであるとしてカラー写真に示すことは,本文でも繰り返し述べたように全く至難のことである.白血病細胞の異常増殖の認められない時期に,必ず白血病に移行するという断定はもちろん不可能である.ただ,注意すべきことは,細胞個々の形態学的異常性も重要であるが,その異常性は白血球系というよりも他の赤血球,血小板系列細胞の成熟のあり方,原形質,核とバランスなどの異常性を特に注目する必要がある.反面,我々はある患者の標本を見る時,それが白血病に移行するか否かをいう場合,それは患者にとってはもちろん,我々にとってもあまりにも大きな"かけ"であり,慎重の上にも慎重を期さなければならない.そこでここにあげるカラーグラフは,前白血病状態から白血病に移行した2例の骨髄血標本と,長期間の白血病完全寛解期から白血病再発した2例,完全寛解期の持続でなお再発を示してない1例の骨髄標本を示した.その他,癌による白血病反応,伝染性単核症にみられた異型リンパ球増加例の末梢血を示した.
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