総説 免疫の基礎理論・1
免疫機構—T細胞およびB細胞免疫系
山口 康夫
1
1日大・微生物
pp.614-620
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908108
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫能は生体が自己,非自己を識別して自己の完全性を保つために備えている巧妙なしくみであるが,ときにその異常は病的過程を惹起することもある.原理的にみて免疫能の作動様式はEffectorが細胞抗体活性をもつ感作リンパ球であるか,免疫グロブリン抗体であるかによって,それぞれ細胞性免疫(Cell-mediated immu-nity),体液性免疫(Humoral immunity)に分けられ,近年前者には胸腺由来リンパ球(T細胞),後者にはファブリシウス嚢(鳥類)またはその相当器官(哺乳動物)由来リンパ球(B細胞)が主役を演ずることが明らかにされつつある.
本稿では今日免疫学領域において中心課題のひとつとなっているT細胞およびB細胞免疫系の成立,性状,免疫応答,T&B協同作用に焦点を合わせて,最近の諸知見を解説的にまとめてご紹介する.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.