特集 日常臨床検査法
Ⅴ.細菌
1.検体輸送—2)腸内細菌
坂井 千三
1
,
伊藤 武
1
1都立衛生研究所微生物部細菌第1研究科
pp.1503-1505
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908814
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腸内細菌のなかには,赤痢菌,サルモネラ,病原大腸菌,エルシニア・エンテロコリチカなど多数の病原菌が含まれている.これらの病原菌の検査の対象となる材料は,糞便,血液,髄液,吐物,また死亡者の腸内容,臓器などきわめて多彩である,しかし,現在までに開発実用化されている腸内細菌用の保存・輸送培地は,主要材料となる糞便中の病原菌の保存を目的としたものに限られている。そこでここでは,一般検査室で取り扱う頻度の高い病原菌を対象にした糞便保存液について紹介する.
なお,血液中の病原菌の検査に用いられているカルチャーボトルは,本来血液中の病原菌の増菌培地であるが,短時間であれば保存にも使用できるのでそれについても若干述べることとする.
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