カラーグラフ
癌細胞とF小体について—その細胞診断的意義
高橋 正宜
1
,
石井 久美子
1
1中央鉄道病院・中央検査室
pp.1098-1099
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908694
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はしがき
1969年以来,Caspersson一派によってDNA結合性色素としてキナクリン(quinacrine hydrochloride)あるいはキナクリンマスタード(quinacrine mustard)が染色体に一定の染色パターン(Qバンド)を示すことが明らかにされ,新しい分染法として染色体同定に用いられてきた.また間期ないし休止期の男子の細胞核においてYクロマチンが強い黄緑色螢光を発する小体,すなわちF小体として認められることが立証され,細胞遺伝学的研究に応用されつつあるが,癌細胞におけるF小体の研究は進展していない.
われわれは肺癌,胃癌,直腸癌その他の消化管癌の手術例を用い,癌細胞におけるF小体の実体を検索し,その細胞診断的意義を考察した.
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