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技術解説
マイクロタイター法
Micro titer methods
赤尾 頼幸
1
1国立予防衛生研究所ウイルス中検
pp.1053-1062
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908687
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マイクロタイター法は1954年にTakatsyらによって考案されたが,その後1962年になってSeverがこれを改良し紹介して以来,アメリカ,ヨーロッパで,この方法が応用され急速に普及した.わが国でのマイクロタイター法はこれよりだいぶ遅れたが,ウイルスの血清学的検査法のみでなく,そのほかの検査,たとえば梅毒血清反応(TPHA)1),A群溶血性レンサ球菌感染症におけるASLO価の測定1),ジフテリア抗毒素価の測定2,3)など広く用いられるようになった.ウイルス検査においても,血球凝集(HA)価の測定,血球凝集阻止(HI)反応,補体結合(CF)反応4,5)などの血清反応のみでなく組織培養法にも応用され,マイクロプレートによる細胞の微量培養(miniculture)6)が可能になり,ウイルス分離試験が行われるようになった.またピギーバック・マイクロトランスファープレート(piggy-backmicrotransfer plate)7)の考案によって,ウイルスの中和試験8)も容易に行われるようになった.
本法の利点は,①検査法の微量化が容易に行われること,②操作が簡単で,特にダイリューターの使用で検体の希釈が迅速に行えること.③抗原,抗血清や試薬が少量ですむので経済的であること,④現行法をマイクロタイター法に改良しても,反応の感度や精度に不都合がないことなどがあげられる.
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