レポート
緊急検査の実施状況—アンケート調査から
稲生 富三
1
1社会保険中京病院検査部
pp.869-874
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908632
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はじめに
いつ発症するかわからない救急患者や,病状の急激な変化などに備えて,医師や看護婦は24時間にわたる診療体制をしいている.このようななかで,病因の診断や治療に不可欠な臨床検査,特にそのなかでも成績のいかんによって事後の処置が選ばれ,さらには予後にまで大きな影響を及ぼす検査で,材料の採取から成績の判定までが,きわめて短時間内に可能な緊急検査を同じように実施できる体制の整備が,具体的に論議されるようになってきた.
一方,このような緊急検査を行う臨床検査部門における実状は,設備の不完全や,検査担当者の不足,すなわち,労働基準法によって女性の深夜勤務が禁止されているような状況なので,女性技師の進出が目ざましい昨今では,深夜の緊急検査を実施しようとすればいきおい数少ない男性技師にのみ負担がかかるので,必要性を痛感しながらも実施に踏み切れないところが多い.
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