特集 自動化臨床検査法
血液
凝固・線溶
フィブロメーター
梅垣 健三
1
1奈良医大・病態検査学
pp.1341-1344
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908308
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臨床検査が普及するにつれて,検査は多様化し,即時性および精度管理の要求がますます大となり,それに従って検査の自動化が進み,検査業務にコンピューターが導入される時代となってきた.検査の自動化は特に臨床生化学および血球算定において著しいものがある.これに対し血液凝固検査においては自動化は遅れている.われわれが試験管内において凝固すなわちフィブリン形成を肉眼的に捕えるのは,おそらく凝固第3相の段階であると考えられるが,きわめてすみやかに進行する第3相のうちの,どの反応を捕えるか,その捕え方の測定値に及ぼす影響ははなはだ大である.このことが凝固検査を一般にむずかしい検査であると受けとめられる一因ともなっており,またその判定には主観的要素がはいりやすく,個人誤差も大きい結果となっている.これらの問題点をたとえ部分的にでも解決するためにも,また凝固検査の普及を促すためにも,スクリーニングテストの範囲のものの機械測定ができないだろうかということになって,最近機器が開発されるようになってきた.これらの機器は原理により,表1のように3群に分けられる.ここではフィブロメーターについて述べる.
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