検査と主要疾患・10
貧血
中島 弘二
1
1山口大第3内科
pp.1154-1155
発行日 1973年10月15日
Published Date 1973/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908259
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1.貧血とは
正常造血においては図に示すように,幹細胞に造血因子エリトロポイエチンが作用し赤芽球に分化させる.赤芽球は細胞分裂によりその数を増加させるとともにヘモグロビンの合成と核の形態成熟が起こり細胞は成熟してゆく,ヘモグロビンを十分に蓄積した赤芽球は成熟濃縮した核を脱核し,網赤血球として末梢血中に供給される.網赤血球は末梢血中にて24時間後にはミトコンドリア,ミクロゾームを失つて成熟赤血球となり約120日間血管の中を流れた後,寿命がつき網内系細胞で処理されてしまう.処理された数だけの赤血球が骨髄により供給され血管内には一定量の赤血球を有している.貧血症は末梢血中の酸素運搬を担う赤血球の絶対数(またはその能力)の低下によって引き起こされる.
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