特集 臨床検査を点検する
病院で臨床検査は適正に行なわれているか
木島 滋二
1
1大阪北野病院内科
pp.23-27
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204309
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はじめに
スタートをして,まだ20年そこそこの歴史しかもたない中央検査室が,現在では全国ほとんどすべての病院に整備されるようになり,医師会の検査センターや,市中の衛生検査所の数もふえて,一般診療に占める臨床検査の比重が大きくなってきた.これは医学の進歩と,その大衆化を反映するものであり,また,診療を科学的に処理しようとする医師の良心の現われとして,喜ぶべき現象である.
しかし一方では,検査の伝票を整理するだけで便宜上の病名をつけ,問診や診察を省略する医師が生まれたとか,検査のうちで,もうかるものばかりを,患者のことはおかまいなしにやたらに行なう病院があるとかいった非難の声も聞くようになった.
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