技術解説
α1-フェトプロテイン検査法
向島 達
1
,
大倉 久直
1
,
服部 信
2
,
中山 昇
2
,
沢部 孝昭
2
,
坂巻 智恵子
3
1国立がんセンター病院臨床検査部
2国立がんセンター病院内科
3国立がんセンター研究所内分泌部
pp.1067-1078
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907768
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α1-フェトプロテイン(α-F)は1944年,Pedersen1)により胎児の新しいタンパクとして発見されたFetuinとも関係があるが,1963年,Abelev2)が肝癌マウスの血清中に出現することを見いだした.次いでTatarinov3)が,原発性肝癌患者の血清中に高頻度に検出できると報告して以来,肝癌に特異的に出現する胎児性腫瘍タンパクとして,その診断的価値が注目されてきた4,5).本邦においても,α-F特異抗血清を用いた免疫学的測定法が,肝癌の診断に有用であることが知られ,種々の測定法が開発されて日常の臨床に用いられ始めたが6-12),この分野の研究は今後ますます発展し,近い将来にはいくつかの癌のスクリーニングにはαFと同様の簡単な免疫学的検査法が利用されると思う.
α-Fの測定法のうら主要なものを表1に示す.また各法の最小感度と肝癌における陽性率を表2に示す.
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