Senior Course 病理
報告書の印字—IBM磁気カード・タイプライター(MC)
桔梗 辰三
1
1横浜市大・中検病理
pp.919
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907731
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剖検にしても外科的摘出物の検索にしても,書類作製には多大の時間と労力が必要である.まず剖検では数ページに及ぶ肉眼所見の記載があり,外科病理でも数行から1-2ページの記載事項がある.1〜数日して顕微鏡的所見が追加され,かつ最終診断ならびに意見が合わさって報告書が完成する.しかもこの際しばしば先の肉眼所見に追加訂正すべきことが出てくる.普通報告書は数枚の複写をとるものであり,また後々の検索に供するため報告書の一部分を何枚か複写して整理することにすると,形態病理診断部門では書類作製に費やされる労力と時間は膨大なものになる.
肉眼的観察と最終報告書作製との間に1〜数日の余裕があるにもかかわらず,検鏡用標本ができてから報告書を作製して,主治医に渡す時間を最小限にしようとすれば種々の制約が生ずる.余裕のある時期に肉眼所見を清書すればよさそうであるが,前記のごとく加筆訂正のことを考えるとそうもいかない.タイプミスをペンで修正した報告書を提出することまで考えると,タイピストはかなりの熟練者でないといけないことになる.
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