特集 調剤業務Update 薬剤師の貢献と発信されたエビデンス総まとめ
処方箋印字と疑義照会の取り組みが及ぼす効果 処方箋への「残薬調整」のプレ印字と疑義照会簡素化プロトコルの医療経済的効果
松原 和夫
1
1京都大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
医薬品経済学
,
費用節約
,
臨床プロトコール
,
服薬管理
,
院外処方
,
処方監査
,
不要医薬品
,
薬薬連携
Keyword:
Clinical Protocols
,
Cost Savings
,
Economics, Pharmaceutical
,
Medication Therapy Management
pp.234-240
発行日 2020年2月5日
Published Date 2020/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020153474
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<Key Points>◎疑義照会簡素化のプロトコルは、絶対的医行為である処方権を回避しようとする試みであるため、各処方医が合意を拒否できる仕組みが必要である。◎処方箋の形式は、様式第二号に準拠することが求められる。したがって、指定選択項目に単純に(3)「残薬調整し調剤後にFAXで情報提供」を加えることはできない。医師の指示を明確にするための工夫が必要となる。◎処方変更の60%以上が疑義照会簡素化あるいは処方箋へのプレ印字により実施されている。このことは、これらの取り組みは、処方医および保険薬局薬剤師双方の負担軽減に大きく寄与し、医療経済的にも多大な貢献をする。◎残薬調整は一時的な医療経済効果はあるにせよ、本質的ではない。残薬問題は、残薬が生じる原因が何であるかを明らかにし、積極的に処方提案を行うといった薬剤師本来の介入の必要性を示す。
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