Senior Course 細菌
Edwardsiella属について
橋本 雅一
1
1東京医歯大・微生物
pp.918
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907730
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坂崎と村田(1962)は,SalmonellaとArizona菌群の生態を調査するために,冷血動物腸内細菌を検討していたところ,これまで記載のない1群の腸内細菌を見いだし,彼らがこれまで取り扱っていた腸内細菌中にはわずか2株しか含まれていない種類の菌であることを知った.しかし,ヘビからはこのような菌が100株以上も検出され,しかもその生化学的性状は全く同一で,血清学的にも相互に密接な関係があることを認めた.これらの菌群はSalmonellaの性状にかなり似ていたが,ほとんどの菌株がインドールを産生し,また糖分解のパターンが非常に狭いという特徴をもっていた.
一方,アメリカでEwingら(1964)は,このような性状をもつ菌を3株見いだしていたが,その後生物型1483-59と記載された菌株の研究を通じて,これらの菌群が腸内細菌の新しい1群であることを認め,坂崎らがAsakusa群,King and Adler(1964)がBartholomew群と呼んでいた菌群を含めて,Edwardsiella属と命名した.現在この菌属には1菌種(Edwardsiella tarda)だげが含まれ,血清学的には17のO抗原と11のH抗原の存在が知られている(Sakazaki;1967).
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