今月の主題 リウマチとその周辺
周辺疾患
ライター症候群
山前 邦臣
1
1新横浜山前クリニック
pp.1016-1017
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221712
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Hans Reiterにより1916年に報告された結膜炎,尿道炎,関節炎を三大徴候とする慢性疾患で,若い成人男子に多い.最初の報告は1818年のSir Benjamin Brodieによりなされたと言われている.Reiterはベルリン医科大学講師のとき,腹痛と血性下痢の後8日目に関節炎,尿道炎,結膜炎を伴い発熱した若い軍人の症例を報告した1).当時はスピロヘータ感染を原因と考えていた.
これまで本邦では少ないとされてきたが,近年報告例が増え,約100例にのぼる2).赤痢など腸管感染症や淋病など性病罹患の後誘発されやすいが,明らかな先行感染なく発症することもある.寛解,再燃を繰り返す.上記三徴のほか,近年は環状亀頭炎,膿漏性角皮症,骨膜炎が重要症状に追加されている.HLA-B27陽性者が多く,強直性脊椎炎,乾癬性関節炎と共にseronegative spondyloarthritisの分類に入れられている.
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