検査技師のための解剖図譜・7
小腸・大腸
三島 好雄
1
1東大第1外科
pp.784-785
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907689
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小腸の長さは平均5-7mで十二指腸,空腸,回腸に区別される.しかし,ふつう小腸という場合には空腸と回腸を意味する.これに続く大腸は平均1-1.5mの長さで盲腸,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状結腸よりなる.十二指腸は幽門輪により胃と境され,十二指腸曲によって空腸と境されている.空腸は漸次回腸に移行するが,空腸は全小腸の2/5を,回腸は3/5を占めている.回腸と大腸の境にはBauhin弁がある.盲腸は小腸移行部より下方にある盲嚢で,最も太く,その下端に虫垂を有し,上方は上行結腸に移行する.
上行結腸,横行結腸,下行結腸は小腸を取り囲むように腹腔内を右から左に走り,左下腹部で屈曲してS状結腸となり,直腸に移行する.腸管の太さは十二指腸が最も細く,大腸が最も太いが,小腸の粘膜面にはひだが多数にあり,さらに無数の絨毛があるので,その表面積は著しく広い.腸管は内面から,粘膜,筋層,漿膜の3層よりなるが,多くのLieberkühn腺とリンパ小節を有する.
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