特集 産婦人科手術と隣接臓器の諸問題
小腸,大腸,直腸
西村 敏雄
1
,
吉田 吉信
1
,
松田 晋
2
Toshio Nishimura
1
,
Susumu Matsuda
2
1京都大学医学部産婦人科教室
2京都大学医学部外科教室第2講座
pp.101-108
発行日 1967年2月10日
Published Date 1967/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203640
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〔産婦人科の立場から〕
はじめに
産科婦人科手術中,癒着その他の病変のため,やむなく腸管を損傷したり,性器悪性腫瘍の浸潤が腸管の一部に波及している場合とか,また対象となる腫瘤自体は陳旧性附属器炎あるいは子宮内膜症によるものなど,性格において良性であつても腸管との癒着高度のため剥離困難であるが一部腸管を合わせて切除すれば根治目的を達しうる場合,あるいは偶然腸腫瘤を発見したり,さらに術後イレウスに遭遇したような場合に腸管手術の知識と技術を持つていることはメスをとる産婦人科医として大切な要件であろう。以下,腸管手術の原則的事項と,しばしば,われわれが遭遇する種々の場合につき,その診断・処置の概要を述べてみたい。
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