研究
免疫学的妊娠反応に及ぼすタンパク尿の影響
只野 寿太郎
1
,
白井 俊子
2
1順大臨床病理
2順天堂医院中央検査部
pp.408-411
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907585
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はじめに
免疫学的妊娠反応は生物学的なそれと比較し,経済性,簡便性,迅速性ですぐれているが,種々の要因で偽陽性を呈する.SalzbergerとNelken1)は子宮腺癌例とCorpus luteum cysts例で,赤血球凝集抑制反応の偽陽性例を報告した.同様な報告は子宮癌,頸管炎,卵巣嚢腫,睾丸腫瘍でもある.Tylerら2)はアセチルサリチル酸を大量に服用した患者での偽陽性例を報告したが,プロジェステロン,プレドニソロン,抗生物質などの投与では偽陽性はないとした.
ラテックス凝集抑制反応の偽陽性例は,Jacobson3)が薬剤や疾患には関係がないとし,Noto,Mialeら4)は浸透圧,pH,サリチル酸製剤を含む種々の薬剤も影響がないとした.
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