研究
青壮年男女における血液検査成績の検討
斎藤 富樹
1
,
佐藤 正之
1
,
三谷 善一郎
1
,
中口 洋一
1
,
山本 英作
1
,
船水 孝介
1
,
田中 繁
1
,
野村 晃
1
,
山内 孜允
1
,
馬場 浩作
1
1航空自衛隊岐阜病院検査研究課
pp.84-88
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907494
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はじめに
われわれが正常値を求める場合,健康と思われる人を対象にして正常値を設定するのであるが,その上限と下限ではその差がきわめて大きいことが多い.これが臨床上実用的でないので通常平均値と標準偏差で表わしている.しかしこれに含まれるのは実際測定した正常値の約2/3のみで,残りの1/3のものは含まれなくなり,ここに平均値の限界がある.また正常値の根拠としての平均水準,価値永準,変動性,一般性,設定条件などがあり,この点をできうるかぎり考慮にいれて検討を加えた.
日本人の正常血液所見は小宮博士などが行なった,全国的な大規模な調査成績‘日本人正常血液像’が信頼できるので,主としてこれに従い,特に血算にあたっては,血球の計算上の分布誤差,メランジュールによる希釈誤差など,正確度に欠けるうらみ,さらに時間を要しかつ目の疲労を生ずるなど,顕微鏡による欠点を勘案して,多検体を迅速に処理できる再現性のよいTOA MIC-ROCELLCOUNTER(MCC II)を使用して成人男女の血液検査を行なったので報告する.
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