技術解説
大腸菌の検査法
坂井 千三
1
1東京都立衛生研究所細菌第1部
pp.31-35
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907481
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大腸菌(Escherichia coli)は,ヒトや動物の腸管内に常在菌叢として生息し,また,土壌とか下水などの自然界に広く分布している.大腸菌の中で,ヒトに対して赤痢あるいは胃腸炎起病性を有するものがある.この大腸菌を正常大腸菌と区別して病原大腸菌と呼んでいる.病原大腸菌は,最初,乳幼児の下痢症原因菌として注目されたが,現在では乳幼児に限らず,成人の下痢症原因菌としても大いに重要視されるようになった1-5).
また大腸菌は,尿路感染症の原因菌としても重要である6).大腸菌の検査は,その目的によって次の2つに大別されよう.
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