特別寄稿
ボツリヌス菌の検出法
伊藤 武
1
,
坂井 千三
2
1東京都立衛生研究所細菌第一研究科食中毒
2東京都立衛生研究所細菌第一研究科
pp.1531-1534
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909639
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我が国で発生したボツリヌス中毒は現在までに72事例,患者数397名,そのうち99名が死亡している.これらの大部分は北海道や東北地方で,魚を原料にした"いずし"を原因食品とするE型菌によるものである.ところが1976年8月12日,東京都内の一家庭で突発的にA型菌による中毒が発生した(4名中2名発症,そのうち1名死亡).本事例の原因食品は不明であるが,患者2名の血液よりボツリヌス菌A型毒素,および患者ふん便から本邦で初めてA型菌が検出された.今回の事例経験を参考にしてボツリヌス菌の検査法の概要を紹介する.
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