カラーグラフ
細胞染色機構と細胞形態
山田 喬
1
1国立がんセンター実験病理
pp.1382-1383
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907448
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染色標本に見える細胞内構造は,必ずしもその本来の細胞構造を示すとは限らない.極端な表現を用いれば,われわれの見ている形態は,それぞれの色素が染まる部分の分布を意味しているにすぎないともいえよう.その典型的な例が細胞核クロマチンの形態である.一方,剥離細胞診において良性,悪性細胞の鑑別にはクロマチンの形態が重要視されている.しかも,この形態が標本の固定,染色方法の違いによっても,また変性過程によっても変化することも知られている.
染色の機構を理解することが,正しい細胞形態的判定の基礎となることを示す意味で,クロマチンの染色機構を中心として,2,3の染色色素の性質について解説を加えたい.
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