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MPTP(1-methyl-4-pheny1-1,2,3,6-tetrahydropyridine)による実験的パーキンソニズムは,パーキンソン病研究のための最もよいモデルの一つと考えられている2,11,20)。MPTPは脳に取り込まれた後,主にグリア細胞のモノアミン酸化酵素BによってMPP+(1-methyl-4-Phenylpyridinium ion)に代謝され4,18,37),MPP+がドーパミン再取り込み機構を通じてactiveに黒質線条体ドーパミンニューロンに取り込まれることが5,15,16,21),ドーパミンニューロンに対する選択的毒性の発現機序と考えられている。さらに霊長類のMPTPに対する高い感受性の原因の一つとして,MPP+のニューロメラニンに対する親和性があげられている23,42)(齧歯類のドーパミンニューロンはニューロメラニンを持たない)。このように,黒質線条体ドーパミンニューロンに対する選択的毒性の発現機序はかなり解明されてきたが,ニューロン内に蓄積したMPP+がどうやってニューロンを破壊するかについては,まだ充分わかっていない。種々の実験に基づいていくつもの仮説が述べられているが,主なものは次の4つに大別できる。すなわち,(1)中間代謝物仮説,(2)フリーラジカル仮説,(3)oxidative stress仮説,(4)ミトコンドリア仮説である。これらの点については,最近のLangstonの綜説22)にも詳しく述べられているが,本稿ではこれら仮説の解説と,ミトコンドリアに関する筆者らの成績の紹介を行なってみたい。
MPTP-induced experimental parkinsonism has been considered as the best model available at present of Parkinson's disease. MPTP is first oxidized to MPDP+ by glial monoamine oxidase B. The MPDP+ undergoes dispropornation reaction to MPTP and MPP+. MPP+ is actively taken up into dopaminergic neurons through an energy dependent reuptake system. Thus the selective toxicity against dopaminergic neurons has been fairly well elucidated. However, the mechanism of neuronal degeneration is not known yet.
In this communication, proposed hypotheses on mechanism of neuronal degeneration are reviewed.
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