特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VI.血液検査
赤血球酵素
三輪 史朗
1
1山口大第3内科
pp.488-489
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205878
- 有料閲覧
- 文献概要
異常値を示す疾患
赤血球酵素活性の異常値(低値)を示す疾患は大別して,①遺伝性溶血性貧血,②遺伝性メトヘモグロビン血症,③血液疾患以外の疾患で赤血球酵素活性測定が診断上役立つもの,④後天性疾患の診断に役立つもの,に分けられる。その大要を表に示した.いずれも活性低値を示す場合が問題になる.
したがって赤血球酵素活性の測定を必要とする場合は,①遺伝性溶血性貧血で遺伝性球状赤血球症・遺伝性楕円赤血球症・不安定血色素症・タラセミアに属さない症例,②遺伝性メトヘモグロビン血症,③表にあげたように無カタラーゼ血症,ガラクトース血症,混合型免疫不全症候群,infantile renal tubular acidosis,Lesch-Nyhan症候群などが疑われた場合,④PNHが疑われる場合などについて原因究明ないしは診断確定のために行うものである.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.