研究
血清鉄および不飽和鉄結合能の直接測定法の吟味—Ⅱ.不飽和鉄結合能
古郡 浩
1
,
斎藤 正行
2
1農林省畜産試験場生理部第2研究室
2東大・分院生化学
pp.1123-1127
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906968
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鉄結合能の測定には多数の報告があるが,一般には,アルカリ域で血清に適当な鉄標準液を加えてトランスフェリンの鉄結合能を飽和させ,次いで吸収されずに残った過剰な鉄を除去し,最後に残った総血清鉄を除タンパク法によって比色測定する方法1,2)と,一定過剰量のFe59と鉄を血清に加えて,トランスフェリンの鉄結合能を飽和させ,残った過剰な鉄をレジン・スポンジに吸着させて,この放射能を測定して,(不飽和)鉄結合能を求める方法3)とが広く用いられている.
しかしこれらの方法の問題点として,過剰な鉄を除去あるいは吸着させる際の,吸着物質の鉄吸着力に問題があることが指摘されている4).また前者では総血清鉄の測定に除タンパク法を用いているので,前報5)で指摘したと同じ欠陥を含むことになる.そこで血清中の過剰な鉄の吸収や除去,あるいは除タンパクを必要としない測定方法を確立する必要がある.
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