特集 巨赤芽球および巨赤芽球様細胞
抗白血病剤による巨赤芽球様細胞の出現
守田 浩一
1
,
岩永 隆行
1
,
入交 清博
1
1日大萩原内科
pp.223-224
発行日 1970年3月15日
Published Date 1970/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906714
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巨赤芽球あるいは巨赤芽球様細胞は,悪性貧血,葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血および赤白血病の際にみられるが,定形的でない場合には,判定の困難なこともしばしばある.細胞質と核構造の成熟の不一致が本細胞の特徴である.そのため本細胞の鑑別には,やはり正常の赤芽球系細胞の成熟段階における,細胞質と核構造との関連を熟知していることが必要である.
最近,抗白血病剤であるサイトシン・アラビノシッド(CA)を投与すると,骨髄中に巨芽球様細胞が高率に出現することが知られている.ここに示した写真は,いずれも急性骨髄性白血病をCA治療中にみられた巨赤芽球様細胞で,その他CAの影響で変形した白血病細胞,過分葉した好中球などを示した.
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