論壇
化学検査室の安全対策
渡辺 健一
1
1都立大・化学
pp.774-775
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906529
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化学検査室は,間接的に患者の生命をになうところであると同時に,その仕事に化学試薬,科学機器を扱うことが多いから,常に化学的事故も潜在する,したがって,仕事にあやまちがあってはならない,万一事故があっても,その被害を最小にして防ぐ心構えと対策が講ぜられていなければならない.
安全管理の根本は,人間尊重の思想と総合的,合理的な対策運営にある.また,これを実現するための予算の裏づけが必要なことはいうまでもない.それはちょうど人間の健康管理のようなもので,どこかが1つでも狂ってくると全体がうまくいかなくなる.このためには,管理者あるいは指導者は安全のための責任者であるとともに,室員の教育者であり保護者であることをはっきり打ち出すことである.一方,全室員は安全に対する十分な理解と協力に努めることである.しかしこの基盤として,検査室の適正な設計(位置を含めて),安全のための基本運用方針,十分かつ流動性ある安全対策予算がなくてはならない.
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