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組織の染色(1)
川井 一男
1
1国立大阪病院研究検査部
pp.591
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906472
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1.核の染色
薄切切片をスライドグラスに貼付し,そのまま透明化しても細胞組織の詳細は判定できず.光学顕微鏡による観察には適しない.位相差顕微鏡によれば細胞の構造を見ることができるが,視野が暗い点や観察法に習熟を要するので一般的ではない.視覚によって細胞組織の成分や構造を判別するには,色素を用いて染めわけるのが最も便利であり,このために細胞組織の染色技術が広く発達してきた.
近代細胞学が細胞の重要成分は核と細胞質であることを示してより,核を区別する方法として1865年ベーメルがヘマトキシリン染色を提唱して以来,多くのヘマトキシリン染色法が発表された.ヘマトキシリンは組織学や細胞学においてはメチレン青(および誘導体)とともに,最も優れた基本的な核染色剤となっている.
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