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定量分析
永井 淳爾
1
1九大・中検
pp.587
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906468
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定量法の特性
前回は分析法の1つである中和法についてふれた.中和法は容量分析法(Voulmetric rnethod)の1つである.では容量分析法とはどんなことか,その一般論について説明する.
容量分析法とは,定量しようとする物質と定量的に反応する試薬を選び,その試薬の一定濃度の溶液(標準液)を作り,これを反応が完結するまで試料に加え,この標準液の容積から試料の量を計算する方法である.容量分析法では重量法のように,試料の秤量型(先に説明した)の重量を毎回はかる必要がなく,ただ標準液の容積さえ読めばよいので操作が簡単であり,連続的に分析を行なうのには都合がよい.しかし現在の臨床検査室では,技術員1人あたりの検体数が増加しているため,処理能力のうえからこの容量分析法も適しにくくなり,比色法がこれにとって代わっている.
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