技術解説
新規格による心音計の使い方と効用
吉村 正蔵
1
,
小原 誠
1
1慈恵医大内科
pp.470-476
発行日 1969年6月15日
Published Date 1969/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906435
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はしがき
われわれが心臓や血管病を診断する場合,心音,心雑音を聴いて(聴診)心疾患を発見する場合がかなり多い.1819年レンネックが聴診器を発明してから,聴診法は臨床的に広く使用されて,医者のシンボルとさえなっている.しかし聴診法は長期間の経験と習練を必要とし,また個人差があり,客観性に欠ける欠点があった.
しかしながら近年エレクトロニクスの長足の進歩により,一般臨床医および臨床検査技士にも容易に操作できる心音計が開発され,現在,心臓病の臨床検査項目の1つとして欠くことのできないものになっている.特に心電図でも比較的診断のつけにくい弁膜症,先天性心奇形では心音図が大いに活用される1).したがって心音計は心電計についで普及されつつある現状である.しかしこれまでは心音計には統一した規格がなく,研究者,メーカーによって異なり,多種多様であった.したがって異なった心音計で記録した心音図を比較検討するのは困難であった.
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