特集 一般臨床検査の要点—受験者の手引きを兼ねて
血液および血沈値
加納 寿子
1
1東京医歯大第一内科
pp.662-669
発行日 1963年9月15日
Published Date 1963/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906158
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はじめに
一般臨床検査士の資格認定試験範囲のうち,血液方面で指定されているのは,血色素量の定量(ザーリー法または光電比色計法のうちの1法,あるいはヘマトクリット法でもよい),赤血球数の算定,白血球数の算定,血沈値の測定(ただし採血は除く)等で,最も簡単なものであるが,医療の第一線で頻回に行なわれるために,もしも間違った成績が出された場合の被害を考えると,私たち臨床医としては安閑としておれず,技術者の方々に正しい成績を出してもらうために,私のささやかな知織が少しでも役立てたらと願う次第である。
昨年と今年の2回,この試験の委員をして痛感したことは,受験者が基礎知識に乏しいということ。また,一つは大変よくできるが,他のものは全くできないというように,技術にむらがあるということであった。更に,形だけは一応うまく見えるが,基礎知識がないために肝心なところで大きな間違いをしている人が何人かあった。本試験は実技を主としてはいるが,それをするための基礎知識を専門書あるいは正しい知識と技術のある経験者から習得し,充分に身につけておいてほしいものである。
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