研究
結核菌の耐性測定における直立拡散法の検討—第1報 接種菌量による発育阻止帯長の変化
平峰 繁
1
HIRAMINE SHIGERU
1
1国立療養所貝塚千石荘研究検査科
pp.461-465
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906130
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はじめに
直立拡散法は,あらかじめ菌を接種した固形培地の下端に,所定濃度の薬液一定量を注入して後試験管を立てて培養し,菌が発育しつつあるところに薬剤が培地中に浸透拡散して菌の発育を一定の線でおさえて,その感受性度を測定する方法であるが,小川(政)1)2)は特殊な首曲り試験管を用いて平面培地を(以下平面法と呼ぶ),飯尾3)は普通試験管による斜面培地(以下斜面法と呼ぶ)を使ってそれぞれ発育阻止帯長による耐性度区別線を設定している。これら直立拡散法は従来の煩雑な普通希釈法に代わって,日常の耐性検査法として充分採用できるものと推奨されているが4),検査を行なうにあたって一番身近な問題であるところの接種菌量の多寡による発育阻止帯長の変化については明らかにされていない。
元来,結核菌の耐性検査成績は,使用する培地や判定時期などによって異なることはよく知られており,こうしたものを一定にした場合でも接種する菌量によって耐性のあらわれ方は一様でなく,従来の希釈法でもある程度の範囲内で変動することが知られている5)〜8)。そこで私は,直立拡散法ではこのような状態がどの程度の変化でみられるものかを,希釈法を対照にして検討してみた。
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