座談会
計測フィルターの知識
森 礼於
1
,
石田 正之
2
,
天木 一太
3
,
樫田 良精
4
,
松村 義寛
5
1東芝中央研究所光学研究課
2日製産業精機部技術課
3日大病院第一内科
4東大病院中央診療部
5女子医大生化学教室
pp.440-452
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906128
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フィルターといわれるものはこれを大別すると二つあります。一つはきょうの主題の光フィルター(light filter)であり,濾光板という訳語をあてます。もう一つは電気的フィルター(wave filter)で濾波器と訳します。後者がある周波数の電流だけを通す回路であるのに対し,前者はスペクトルのある範囲に相当する光線だけを取り出すための装置といえます。なおこれらとは別に濾紙など濾過装置をフィルターと呼ぶこともあります。計測フィルターという言葉はあるいは耳なれぬ言葉かもしれません。事実ゲストの方に出席を依頼したとき,この言葉ではすぐには話が通じなかったものです。計測フィルターとはここでは主として光電比色計のフィルターを指します。今日では光電比色計には光の干渉を利用した干渉フィルターを使いますので話はそれを中心に進められていますが,まだまだガラスやゼラチソのフィルターも残っているのでその辺の配慮も充分にしたつもりです。
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