技術解説
骨髄線維症の血液検査—白血病とまぎらわしい疾患
柴田 昭
1
SHIBATA AKIRA
1
1東北大学医学部鳥飼内科教室
pp.431-437
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906127
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はじめに
骨髄線維症は最近わが国でも症例報告が相つぎにわかに注目をあびるところとなった。本症は本態論の上でも,また臨床像,血液像の上でも慢性骨髄性白血病とまぎらわしいところをもっているが両者は治療や予後がまるで異なっているので,その鑑別診断は実地上はなはだ重要といわねばならない。本稿ではこの疾患と白血病とを鑑別するのに日常の血液検査の上でどのような点に注意すればよいかについて述べたいと思う。しかし何分にも骨髄線維症という名前はわが国ではまだなじみがうすいので,本症の血液所見を述べる前に本症の概念と臨床像について最初に簡単にふれてみることとする。
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