技術解説
抗グロブリン消費試験
福岡 良男
1
,
若林 孝雄
1
FUKUOKA YOSHIO
1
,
WAKABAYASHI TAKAO
1
1東京医歯大中央臨床検査部兼第一内科
pp.205-210
発行日 1963年3月15日
Published Date 1963/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906092
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はじめに
自已免疫性疾患において検出される非定型自已抗体と輸血副作用の原因となる非定型免疫同種抗体の検出法には,遮断試験,アルブミン・ゲラチン・アラビアゴム・ポリビニール・デキストランなどの膠質溶液を用いる凝集反応,トリプシン・キモトリプシン・パパイン・フィチン・プロメリンなどのタンパク分解酵素で処理した赤血球による凝集反応,抗グロブリン試験(クームス試験)などがあり,螢光抗体法もこの方面に応用されるようになった。比較的自然凝集を起こしにくい赤血球については,上記の方法を用いうるが,操作中に自然凝集を起こしやすい白血球や血小板,あるいは単一細胞とすることが困難な組織細胞については,上記の方法よりも抗グロブリン消費試験(Antiglobulin Consumption Test)が適している1)2)。
抗グロブリン消費試験にも種々の術式があるが今回は最近のものを主体として紹介することにした。
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