技術解説
残余窒素の測定法—とくにRappaport and Eichhorn法
富田 仁
1
,
齋明寺 央
2
,
小野木 照子
2
TOMITA SHINOBU
1
,
SAIMYOJI HIROSHI
2
,
ONOGI TERUKO
2
1京都大学医学部付属病院中央検査部
2京都大学医学部前川内科
pp.99-106
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906073
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はじめに
残余窒素(Reststickstoff,Rest-N)とは周知のとおり非タンパク性窒素(nonprotein nitrogen以下NPNと略す)のことであり,これは通常の除タンパク剤により沈殿されない窒素化合物中の窒素をいう。血中NPNは尿素,尿酸,アミノ酸,クレアチン,クレアチニン,アンモニアの他に,これらに属さない含窒素低分子化合物(総称して未定NPN<undetermined nonprotein nitrogen,unbestimmter Reststickstoff>おそらくはポリペプチドやヌクレオチドなどであって,主として赤血球中に存在する)から成り立っている。NPNはタンパク代謝の中間および終末産物である。タンパク代謝の経路をCantarow and Trumper10)より引用すれば図1に示すとおりである。
正常状態においては,窒素出納の平衡が保たれ血中NPNおよびその成分の濃度は一定の範囲内に保たれる。
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