技術解説
尿中ステロイドホルモンの測定法(その2)
西川 光夫
1
,
竹本 吉夫
1
,
会田 正道
1
1新潟大学医学部西川内科
pp.337-344
発行日 1960年6月15日
Published Date 1960/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905707
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尿中Corticoids測定法
尿中Corticoidsの化学的測定は17—KSに比較し,より直接的に副腎皮質ホルモン乃至その代謝産物を測定する方法であるため,副腎皮質機能の鋭敏な示標となりうる。その測定法も1945年Tal-bot等により始めて発表されて以来数多く報告されているが,1950年頃までは主として遊離型の測定に止まつていた。併しながら遊離型の占める割合は極く一部分にすぎず,大部分はグルクロン酸と結合した形で排泄されている。硫酸塩の形をとるものもあるが,之は極めて少部分で,然もこの形の結合は緩和な酸処理で比較的簡単に分解されるものと考えられている。従つて最近では結合型Corticoidsの測定が重視されている。その加水分解は17—KSの場合のように強酸と加熱する様な操作は使用出来ず,酵素水解によるか,又は1952年Reddy等1)の発表したn-Butanol抽出法のいずれかによらねばならない。その測定法は結合型の加水分解,抽出,精製分離,比色定量の4操作に分けられるが,最後の呈色反応は分離抽出したCorticoidsそのものの反応でなく,すべてCor-ticoidsの化学的特性を利用する事により行なわれている。種々考按されているが,総括すると第5表の如くである。
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