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梅毒血清反応における血清に及ぼす室温の影響—特にガラス板法について
森 邦義
1
1順天堂大学附属病院臨床検査部
pp.315-319
発行日 1960年5月15日
Published Date 1960/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905703
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まえがき
1941年Pangbornにより牛心臓から精製分離されたCardioLipinは,梅毒血清反応の抗原として使用され,これが今日の梅毒血清検査の基礎となつている事はいうをまたない。それらに関する基礎的,臨床的研究は枚挙に遑もないが,基礎的研究については緒方1-7)等の詳細な報告がある。ガラス板法についても山田8),上出,北村9)等の報告があり,これら反応の程度に差のあることを論じ,その原因の1つとして温度による影響が指摘されている。
検査にあたりわれわれも日常聊か疑問の生ずる事があつたので,これら血清検査の正確を期する目的で,血清反応が気温によつて変化を生ずるか否かを特にガラス板法における血清反応について比較検討しようと思い立つた。かくてこのような血清反応と気温との関係につき多少の知見を得たので,その一部を報告する。
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