研究
固形培地斜面貼布硝子培養法とSM耐性迅速検査法
寺山 和夫
1
,
高 好成
2
,
上原 昭純
2
1阿東町国保三谷診療所
2国立松戸療養所
pp.353-356
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905588
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緒言
抗結核剤に対する耐性結核菌の迅速検査法としては小川(辰)1)2),小酒井3)等がSlide Cell Culture法,Slide Culture法(SCM),遠沈管内培養法,変法重層培地法,小試験管内培養法,半流動寒天培地法等を挙げいずれも多数の迫試があり夫々直接法や間接法が用いられている。そのうちSCMについてはRryce4),Berry & Lowry5) M. Cummings6),辻7)等の記載があり同法によるSMその他抗結核剤に対する結核菌の耐性測定については山本(四)8),G. Dllemann-Larsen9),水溜10),山本(寿)11),Pierce12)等の研究があり夫々その有用性を認めている。しかしSCMは液体培地による迅速法であるので一般的に不馴れであり特殊な資材を要し判定も簡単ではない。そこでこのSCMの方式を通常使い馴れた固形培地に応用して耐性検査の簡易迅速法とするために実験を行なつた。
この術式を仮に固形培地斜面貼布硝子培養法(貼布硝子法)と呼ぶがこれに類する記載は比較的少い。最近Eedgecock13)が結核菌迅速培養法としてNaOH水前処理後中和した喀痰沈渣を載物硝子を半截したものに塗抹し,液体培地又はTarshis血液塞天培地の斜面に入れて7日間培養し水洗してZiehl-Neelsen染色を施こし弱拡大で鏡検する方法即ち載物硝子法を報告している。また術式上はHoyt14)の濾紙培養法と類似している。
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