特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
7.移植―6)免疫再構築の検査
菱澤 方勝
1
,
今田 和典
1
,
一戸 辰夫
1
,
門脇 則光
1
Masakatsu HISIZAWA
1
,
kazunori IMADA
1
,
Tatsuo ICHINOHE
1
,
Norimitsu KADOWAKI
1
1京都大学大学院医学研究科血液病態学
pp.1469-1473
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
造血幹細胞移植の実施時には,前処置として用いられる化学療法や放射線治療によってホストの免疫系はいったん破壊され,移植片が生着した後のドナー由来造血細胞によって,免疫系も再構築される.このような過程を経て,ホストの免疫系が量的・質的ともに十分に回復するためには,数か月から1年以上を要するとされており,この期間内におけるホストの免疫再構築を評価することは臨床的にも重要である.
本稿においては,造血幹細胞移植後における免疫再構築,特にT細胞プールの回復の評価のために用いられている検査方法として,フローサイトメトリーを用いた末梢血リンパ球サブセットの解析の意義を概説する.また,最近,胸腺機能の評価法として多くの臨床研究に応用されつつある,定量的なPCR法を用いたT-cell receptorexcision circle (TREC)の測定方法を紹介する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.