特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
7.移植―7)ドナーの評価
星 順隆
1
Yasutaka HOSHI
1
1東京慈恵会医科大学附属病院輸血部
pp.1474-1477
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905262
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はじめに
近年,悪性腫瘍の治癒が期待できる治療法として,骨髄移植などの造血細胞移植を併用する超大量化学療法が定着してきた.1991(平成3)年に骨髄移植推進財団(公的骨髄バンク)が設立され,2000(平成12)年には臍帯血バンクネットワークが稼動しはじめ,造血細胞移植の支援体制が整った.さらに2000(平成12)年4月に同種末梢血幹細胞移植(血縁)が健保適用となり,造血細胞移植は急展開してきた.骨髄のみならず,末梢血,臍帯血より造血幹細胞を採取する機会が増加してきた今日,選択肢の増加に伴って適切なドナー選択が求められるようになった1).
本稿では,造血細胞ドナーの評価に関して,骨髄移植推進財団におけるドナー評価を中心に,非血縁ドナーと血縁ドナー,骨髄と末梢血ドナーの留意点の差について述べる.
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