技術講座 血液・遺伝子・染色体
シリーズ 造血器腫瘍の診療を支える 遺伝子・染色体検査・3
移植後生着確認に利用されるキメリズム検査
松田 和之
1
1信州大学医学部附属病院臨床検査部遺伝子・染色体検査室
pp.768-773
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206022
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Point
●キメリズム検査では,移植後の血液細胞の由来(ドナー・レシピエント)を識別し,その割合を評価する.
●個人識別という観点から,ゲノムDNA上にあるマイクロサテライト(STR)の繰り返し数の違いを指標として,PCR法によって検査できる.
●異性間移植に限っては,性染色体を指標としてFISH法でも検査できる.
●キメリズム検査は,厳密には腫瘍細胞を識別できないが,微小残存病変(MRD)マーカーのない症例においては,再発を早期に高感度に検出できる代替法になりうる.
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