Japanese
English
症例報告
全身性クリプトコックス症により症状が修飾された慢性型ATL
Modification of skin lesions of chronic type ATL by systemic cryptococcosis
中島 英貴
1
,
広瀬 康昭
1
,
池田 光徳
1
,
山本 康生
1
,
小玉 肇
1
,
畠山 暢生
2
,
田口 博國
2
Hideki NAKAJIMA
1
,
Yasuaki HIROSE
1
,
Mitsunori IKEDA
1
,
Yasuo YAMAMOTO
1
,
Hajime KODAMA
1
,
Nobuo HATAKEYAMA
2
,
Hirokuni TAGUCHI
2
1高知医科大学皮膚科学教室
2高知医科大学第3内科学教室
1Depertment of Dermatology,Kochi Medical School
2Third Depertment of Internal Medicine,Kochi Medical School
キーワード:
ATL
,
IFN-γ
Keyword:
ATL
,
IFN-γ
pp.197-199
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101167
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
全身に特異疹である紅斑と丘疹を認めた65歳,男性の慢性型ATL.エトレチナートとIFN-γの併用投与により末梢血異型リンパ球は減少し皮疹も軽快したが,背部に血痂を付す紅斑,次いで39℃の発熱,肝機能障害,右鼠径リンパ節腫脹が出現した.リンパ節と皮疹部の組織所見および培養により,Cryptococcus neoformansの感染が確認された.アンホテリシンBが奏効し,イトラコナゾールの投与を継続して再発は抑制された.クリプトコックス症発症後ATLの特異疹が増悪したが,軽快すると末梢血異型リンパ球は減少し,特異疹も消失したことから,クリプトコックス感染がATL細胞に増殖刺激を与えた可能性が考えられる.一方,皮膚クリプトコックス症周囲ではATLの特異疹が欠如していたことは,細胞性免疫が賦活化され,腫瘍細胞が消退したためと考えられる.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.