特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
3.骨髄異形成症候群・慢性骨髄増殖性疾患―3)血小板機能
新倉 春男
1
Haruo NIIKURA
1
1昭和大学医学部附属藤が丘病院内科血液
pp.1385-1389
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905246
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はじめに
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syn-drome;MDS)における出血傾向の主因はいうまでもなく血小板減少であるが,血小板数が正常ないし軽度の減少例で出血傾向をみることがあり,血小板の質的異常つまり,機能異常によるとされている1,2).形態異常として,小巨核球(micro-megakaryocyte),分離多核巨核球,円形単核巨核球,巨大血小板,血小板顆粒異常などがみられ,異常巨核球の比率が高い例で機能異常の頻度が高い傾向がみられる3).
一方,骨髄増殖性疾患(chronic myeloprolifer-ative disorders;MPD)では多くが血小板増加を示し,出血あるいは血栓症を合併することがあり,やはり血小板機能異常に帰せられるが,MDSのような巨核球の形態異常はほとんどみられないこと,骨髄抑制治療によって血小板数を正常ないしその近くまで減少させることにより,機能が改善するとともに出血や血栓症の合併のリスクが減少することから,血小板の著明な増加が機能異常に密接に関連すると考えられる4).
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