特集 造血器腫瘍
Ⅲ 検査法の基礎知識
12.真菌症の血清診断とDNA診断
森 健
1
Takeshi MORI
1
1順天堂大学医学部血液内科
pp.1341-1346
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905239
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はじめに
白血病・悪性リンパ腫や各種の悪性腫瘍を含む重篤な基礎疾患に対する治療法の進歩により,これらに罹患した症例の延命が可能になるとともに,合併する感染症,いわゆる日和見感染症の増加が指摘されて久しい.
日和見感染症の中でも深在性真菌症は特に注目されている疾患であり,細胞性免疫不全をきたす疾患に合併する.多くは先行する細菌感染症に対して強力な抗菌剤療法を行った後に,抗生剤不応の発熱・胸部異常陰影などを伴って発症する.しかもひとたび合併すると予後不良になりやすい.その原因は基礎疾患が完全な治癒が得られ難いこと,診断が難しく治療開始が遅れがちであること,奏効する治療薬剤が限られていることなどが挙げられる.
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